![]() 小藪蘭(コヤブラン)はユリ科ヤブラン属の多年草である。 本州の中部地方から沖縄にかけて分布し、山野の林の中などに生える。 海外では中国大陸にも分布している。 別名を琉球藪蘭(リュウキュウヤブラン)ともいう。 草丈は30~50センチくらいである。 根際から生える葉は線形である。 藪蘭(ヤブラン)に比べて葉は細い。 また、本種の場合は地下茎を伸ばして広がり、群落をつくる点が異なる。 開花時期は7~9月くらいである。 茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、淡い紫色の花をやや疎らにつける。 写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。 学名:Liriope spicata ★びっしりと縁取るように陣地取り 点々と咲く小藪蘭の花 ![]() 花図鑑 ![]() ▲
by sikino-hana
| 2008-09-30 06:24
| 秋の花
![]() 糸瓜(ヘチマ)はウリ科ヘチマ属の蔓性一年草である。 原産地は熱帯アジアである。 日本へは江戸時代の初期に中国から渡来した。 蔓を伝って伸び、丈は1~10メートルくらいになる。 葉には柄があり、互い違いに生える(互生)。 葉は手のひら状に7-11に浅く裂ける。 裂片の先は尖り、つけ根の部分はハート形に切れ込む。 葉の表面はざらつくが、毛は生えていない。 開花時期は8~9月である。 雌雄同株である。 雄花は総状(柄のある花が花茎に均等につく)につき、雌花は葉の脇に1つつく。 花径は5センチくらいで、花冠は5つに裂ける。 花の色は黄色い。 実のなるのは9~10月である。 実は長さ30~60センチの細長い円柱形で、濃い緑色をしている。 若い実は食用になる。 熟した実の網目状の繊維はたわしや浴用スポンジとされる。 茎からはヘチマ水をとる。 俳句では「糸瓜」が秋の季語、「糸瓜の花」が夏の季語である。 花の写真は9月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。 実の写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。 学名:Luffa cylindrica ★ぶら下がる糸瓜の実こそ面白く じっと見つめる不思議感じつ ![]() 花図鑑 ![]() ▲
by sikino-hana
| 2008-09-29 06:03
| 秋の花
![]() ウインターサボリー(winter savory)はシソ科キダチハッカ属の常緑半低木である。 和名は山木立薄荷(ヤマキダチハッカ)という。 原産地は南ヨーロッパや北アメリカである。 ハーブの一種で、古代ギリシャ・ローマの時代から料理の臭み消しなどに利用されてきた。 日本へは明治時代に渡来した。 樹高は40~80センチくらいである。 葉は披針形で、向かい合って生える(対生)。 葉には艶がある。 開花時期は7~10月くらいである。 白い小さな花をたくさんつける。 写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。 学名:Satureja montama ★なるほどね木立薄荷の名が似合う 香りはどうと鼻寄せながら ![]() 花図鑑 ![]() ▲
by sikino-hana
| 2008-09-28 06:54
| 秋の花
![]() アメリカ朝鮮朝顔(アメリカチョウセンアサガオ)はナス科チョウセンアサガオ属の多年草である。 原産地は北アメリカである。 乾燥地帯に生え、また観賞用として栽培される。 日本へは明治時代に渡来し、観賞用として栽培されている。 全草が有毒植物である。 草丈は1メートルくらいである。 葉の表面や茎、枝に軟毛が生える。 葉は幅の広い卵形で、互い違いに生える(互生)。 開花時期は7~9月くらいである。 白い漏斗形の花を上向きに咲かせる。 花径は10センチ以上あり大きい。 花にはよい香りがある。 花の後にできる実は球形のさく果(熟すと果皮が裂開する果実)で、太くて長い棘がある。 写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。 学名:Datura meteloides ★毒草と思えばどこか不気味だが 甘い香りに吸い寄せられて ![]() 花図鑑 ![]() ▲
by sikino-hana
| 2008-09-27 07:26
| 秋の花
![]() 糊麻(ノリアサ)はアオイ科オクラ属の一年草である。 1944年に京都大学の香川冬夫博士によって作出された栽培植物である。 黄蜀葵(トロロアオイ)とオクラとの種間雑種である。 両者の性質を持ち合わせており、根からは糊の原料がとれ、果実は食用になる。 草丈は1~2メートルである。 葉は手のひら状に深く切れ込み、互い違いに生える(互生)。 開花時期は8~9月くらいである。 黄色くて中心が暗い紫色をした5弁花をつける。 花は一日花である。 和名の由来は、糊の原料となり葉の形が「麻」に似ていることからきている。 写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。 学名:Abelmoschus x glutinotextilis ★めずらしい名前の花を紐解けば 先人なせし巧みに出会い ![]() 花図鑑 ![]() ▲
by sikino-hana
| 2008-09-26 06:08
| 秋の花
![]() 波布草(ハブソウ)はマメ科カワラケツメイ属の一年草である。 原産地は中国南部から熱帯アジアにかけてである。 日本へは江戸時代に渡来し、薬用に栽培されている。 また、沖縄や小笠原諸島には帰化をしている。 草丈は50~150センチくらいである。 全草に毛は生えていない。 葉は羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並んで1枚の葉が構成される)である。 小葉の形は長い卵形で先が尖る。 開花時期は7~10月である。 茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、数輪の黄色い五弁花をつける。 花はマメ科特有の蝶形ではない。 花の後にできる実は豆果(莢の中に種子が入るもの)である。 豆は夷草(エビスグサ)とともに「ハブ茶」という健康茶の材料となっている。 また、煎じたものは健胃、緩下、解毒薬とされる。 汁が蛇毒に効くということで蝮草(マムシグサ)の別名もあるが、実際には効果はないという。 漢名は望江南(ぼうこうなん)という。 写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。 学名:Cassia occidentalis ★蝮棲む野に咲くという蝮草 日陰に見つけ後ずさりして ![]() 花図鑑 ![]() ▲
by sikino-hana
| 2008-09-25 06:05
| 秋の花
![]() 山紫蘇(ヤマジソ)はシソ科イヌコウジュ属の一年草である。 北海道から九州にかけて分布し、山地や丘陵地などの日当たりの良い草地に生える。 海外では、朝鮮半島にも分布している。 環境省のレッドデータブックでは、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。 草丈は20~50センチくらいである。 茎の断面は四角形である。 全体に紫色を帯び、毛が多い。 葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。 葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。 開花時期は8~10月である。 葉の脇に淡い紅色をした長さ3~5ミリくらいの小さな唇形をした花をつける。 写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。 学名:Mosla japonica ★紫の茎がとってもチャーミング 小さな花を咲かす山紫蘇 ![]() 花図鑑 ![]() ▲
by sikino-hana
| 2008-09-24 06:02
| 秋の花
![]() 朮(オケラ)はキク科オケラ属の多年草である。 本州から九州にかけて分布し、日当たりの良い乾いた草地に生える。 草丈は30~100センチくらいになる。 葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。 下部の葉は長い柄があり、羽状に3つから5つに裂ける。 葉の先は尖り、縁には剛毛があって硬い。 開花時期は9~10月である。 薄紫色または白い鐘形の花(頭花)をつける。 雌雄異株である。 筒状花は先が5つに裂ける。 雌花には花柱(雌しべ)が飛び出している。 雄花には花粉がついている。 花のつけ根には総苞(花序全体を包む葉の変形したもの)がある。 若芽は綿毛をかぶっていて軟らかく、食用にされる。 根茎を干したものを白朮(びやくじゅつ)といい、利尿・健胃薬とされる。 また、邪気をはらう力があるとされ、正月の屠蘇(とそ)にも入れる。 古名は宇家良(ウケラ)で、この名で万葉集に詠まれている。 写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。 学名:Atractylodes japonica ★不思議なる力を秘めて咲くおけら 花の姿も謎に包まれ ![]() 花図鑑 ![]() ▲
by sikino-hana
| 2008-09-23 07:47
| 秋の花
![]() 大弁慶草(オオベンケイソウ)はベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属の多年草である。 原産地は朝鮮半島から中国東北部にかけてである。 日本へは明治時代の中期に渡来した。 各地で栽培され、園芸用として市販されている。 弁慶草(ベンケイソウ)に比べて花の色がやや濃く、雄しべが花弁より長い。 草丈は30~80センチくらいである。 葉は卵形で、3枚が輪生する。 葉は向かい合って生える(対生)場合もある。 葉は多肉質でやや粉を帯び、緑白色をしている。 葉の縁には波状のぎざぎざ(鋸歯)がある。 開花時期は7~11月である。 茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、小さな花を上向きにたくさんつける。 花の色は濃い紅紫色や淡い桃色である。 花弁は5枚で横に平らに開く。 萼片は5枚、雄しべは10本である。 雌しべの子房が5個ある。 写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。 学名:Hylotelephium spectabile ★君のため咲いていたいよいつまでも 叶わぬとてもいつか再び ![]() 花図鑑 ![]() ▲
by sikino-hana
| 2008-09-22 06:12
| 秋の花
![]() 紫苑(シオン)はキク科シオン属の多年草である。 本州から九州にかけて分布し、山地のやや湿った所に生える。 野生のものは稀で、中国山地や九州山地にわずかに生育する。 庭に植えられることが多く、逸出して野生化するものもある。 海外では、朝鮮半島、中国、シベリアなどにも分布する。 栽培の歴史は古く、今昔物語にも「思い草」の名で登場する。 元々は根を薬用としたが、平安時代には鑑賞用として植えられるようになったという。 環境省のレッドデータブックでは、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。 草丈は150~200センチくらいである。 茎には疎らに剛毛が生える。 葉は細長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。 葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)があり、両面に短い毛が生えていてざらつく。 下部につく葉ほど大きく、茎につく葉にはほとんど柄がない。 根際から生える葉には長い柄があるが、開花時期には枯れるものが多い。 開花時期は8~10月である。 花(頭花)は花径が25~35ミリくらいである。 筒状花は黄色く、舌状花は淡い紫色である。 鬼の醜草(オニノシコグサ)の別名がある。 写真は9月に向島百花園で撮った。 俳句の季語は秋である。 学名:Aster tataricus ★穏やかな陽射しに揺れて紫苑咲く 見せる姿は何も変わらず ![]() 花図鑑 ![]() ▲
by sikino-hana
| 2008-09-21 06:16
| 秋の花
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