武蔵鐙(ムサシアブミ)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草である。
本州の関東地方から沖縄にかけて分布し、海岸に近い林の中や山地の谷沿いなどに生える。
草丈は20センチから50センチくらいである。
茎につく葉は2枚ある。
3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)で、小葉の形は幅の広い卵形である。
小葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はなく、先は鋭く尖る。
開花時期は3月から5月である。
雌雄異株である。
テンナンショウ属特有の肉穂花序(花軸が多肉化して花が表面に密生したもの)を出す。
花をつつむ仏炎苞(サトイモ科の肉穂花序に見られる花序を被う大形の苞)は暗い紫色か緑白色である。
仏炎苞には白い縦の筋がたくさん入る。
舷部(仏炎苞の蓋の部分)は袋状に巻き込み、先は前に突き出している。
口辺部(仏炎苞の上部の脇)は張り出して耳のようになっている。
付属体は白い棒状である。
和名は「武蔵の国でつくられた鐙」を意味する。
写真は4月に神代植物公園で撮った。
学名:Arisaema ringens
★鐙(あぶみ)踏み兵(つわもの)どもが駆け巡る
夢託せしやうららかな春
☆君は誰見知らぬ花に出会えたる
武蔵鐙も名乗りを上げて
花図鑑
by sikino-hana
| 2010-05-01 06:38
| 春の花
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