シレネ・フロスククリ・ジェニー

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シレネ・フロスククリ(Silene flos-cuculi subsp. flos-cuculi)はナデシコ科マンテマ属(シレネ属)の多年草である。
シレネ属は分類の仕方によって異なるが世界に700種くらいが分布する。
属名の和名はマンテマ属という。
マンテマの由来については、浜辺マンテマ(Silene martima)の学名にある「マルティマ」が転訛したなどの説がある。
なお、シレネ・フロスククリは以前はナデシコ科センノウ属(リクニス属)に分類されていた。
この場合の名称はリクニス・フロスククリ(Lychnis flos-cuculi)という。
分子系統学的研究の結果、マンテマ属に統合される方向にあり、YList や Catalogue of Life: 2016 Annual Checklist でもマンテマ属を標準名としている。
基本種はヨーロッパ、コーカサス、シベリアなどに分布し、湿った草地に生える。
和名を郭公仙翁(カッコウセンノウ)という。
開花時期は5月から6月で、花径2センチくらいのピンクの花を咲かせる。
花弁は5枚で、先が4つに深く裂ける。
ジェニー(Jenny)はその八重咲きの園芸品種である。
イギリスのブルームス社のライナー・クレツ(Rainer Kretz)さんによって作出された。
草丈は30センチから70センチくらいである。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は5月から8月である。
花径3センチから4センチの八重咲きのピンクの花を、茎先に数輪ずつつける。
属名の Silene はギリシャ神話の「シレネス(Silenes、バッカスの養父)」からきている。この属には粘液性の分泌液を出すものが多いので、これを酔って泡だらけになった様子にたとえた。
属名の Lychnis はギリシャ語の「lychnos(ランプ)」からきている。アリストテレスの弟子のテオフラストスが用いた。
種小名と亜種名の flos-cuculi は「カッコウの鳴くころ咲く花」という意味である。
園芸品種名の Jenny は女性名で、作出者の夫人の名からきている。
写真は5月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Silene flos-cuculi subsp. flos-cuculi 'Jenny' (異名:Lychnis flos-cuculi 'Jenny' )


★奥様の名前をつけた花という
 ピンクの八重は霞のように

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# by sikino-hana | 2016-08-03 11:41 | 夏の花

未草(ヒツジグサ)

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未草(ヒツジグサ)はスイレン科スイレン属(ニンファエア属)の多年草である。
ニンファエア属は世界各地の熱帯や温帯に58種が分布する。(Catalogue of Life: 2016 Annual Checklist より)
また、多くの園芸品種が作出されている。
日本には本種のみが分布する。
本種の中国名を睡蓮(shuilian)という。
これを音読みしたスイレンがこの仲間の総称となっており、属名の和名もスイレン属という。
英名はピグミーウォーターリリー(pygmy water lily)である。
本種は沖縄をのぞく日本各地に分布し、池や沼に生える。
海外では、中国、台湾、シベリア、インド北部、ヨーロッパ、北アメリカなどに広く分布する。
和名の由来は、未の刻(午後2時)ころに開花するというところからきている。
実際には午前中に花を開き、夕方にはしぼむ。
草丈は20センチから50センチくらいである。
葉は根際から生えて水面に浮く。
円形でつけ根の部分はやじり形に深く切れ込んでいる。
開花時期は5月から10月くらいである。
花茎の先に花径5センチくらいの白い花をつける。
花弁は8枚から15枚くらいである。
萼片は4枚、雄しべはたくさんある。
一つの花は3日咲いた後、水中に沈んで実をつける。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
花言葉は「純真」「信仰」である。
俳句の季語は夏である。
7月23日の誕生花である。
明治時代の末期から栽培品種が輸入されるようになり、逸出したものが野生化している。
在来種の遺伝的撹乱が懸念されている。
属名の Nymphaea はギリシャ神話に登場する水の女神「ニンファー(Nympha)」からきている。
種小名の tetragona は「四角の」という意味である。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Nymphaea tetragona


★どきどきと胸躍らせて近づけば
 未草咲く清楚な姿
☆真っ白な花は水面を飾るよに
 静かに祈る未草咲く

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# by sikino-hana | 2016-07-29 13:00 | 夏の花

月下美人(ゲッカビジン)

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月下美人(ゲッカビジン)はサボテン科クジャクサボテン属(エピフィルム属)の常緑多年草である。
エピフィルム属は中央アメリカに19種が分布する。
また、多くの園芸品種が作出されている。
そのような園芸品種の総称を孔雀サボテン(クジャクサボテン)といい、属名の和名もクジャクサボテン属という。
本種の原産地はメキシコで、熱帯雨林に生える多肉植物である。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(Ver. 3.1, 2016)では軽度懸念(LC)に指定されている。
日本へは大正時代に渡来した。
主に鉢植えとして観賞用に栽培される。
和名の由来は、夜間に美しい花を咲かせることを美人薄命のたとえに重ねたものである。
草丈は1メートルから3メートルくらいである。
下部の茎は木質だが、上部の茎は葉状でよく枝分かれをする。
葉のように見えるのは茎が葉のように変化したものである。
開花時期は7月から11月くらいである。
よい香りのする白い花を咲かせる。
花径は15センチから20センチくらいある大輪の豪華な花で、夜の8時から9時ころに開花し、4時間ほどでしぼむ。
花言葉は「艶やかな人」である。
俳句の季語は夏である。
7月19日の誕生花である。
属名の Epiphyllum はギリシャ語の「epi(上)+ phyllon(葉)」からきている。花が葉の上のほうで咲くことから名づけられた。
種小名の oxypetalum は「鋭い花弁のある」という意味である。
写真は7月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Epiphyllum oxypetalum


★契りなば燃えにし燃えて一夜妻
 甘き香りを闇に溶かして
☆ただ一夜限りの恋と知りつつも
 甘き香りを放ち咲く花

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# by sikino-hana | 2016-07-26 12:46 | 夏の花

檜扇(ヒオウギ)

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檜扇(ヒオウギ)はアヤメ科アヤメ属(イリス属)の多年草である。
イリス属は世界の温帯に150種くらい分布する。
日本にも文目(アヤメ)などが分布し、属名の和名をアヤメ属という。
本種は、かつてはヒオウギ属として独立していたが、DNA解析の結果に基づいて2005年にアヤメ属に編入された。
本州から沖縄にかけて分布し、山地の草地や海岸に生える。
また、鑑賞用として栽培される。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国、インド北部などにも分布する。
中国名は射干(shegan)という。
和名の由来は、葉の様子を檜扇(平安時代の貴族の持った檜の薄い白板をとじ合わせた扇)にたとえたものである。
草丈は60センチから100センチくらいである。
葉は剣状の線形で根際から扇状に広がる。
開花時期は7月から9月である。
茎の上部で枝分かれをし、花径3センチから4センチくらいの花をたくさんつける。
花被片は6枚で平らに開く。
花被片の色は橙色で、内側に暗赤色の斑点がある。
雄しべは3本、雌しべは1本である。
花は夜にはしぼむ。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
黒く艶のある丸い種子は「ぬばたま」「うばたま」と呼び、和歌で枕詞(夜・夕・髪などに掛かる)とされる。
この枕詞は万葉集にもたくさん用いられている。
根茎を乾燥させたものを生薬で射干(やかん)といい、消炎、利尿、去痰などの薬効がある。
花言葉は「誠実」である。
俳句の季語は夏である。
7月16日の誕生花である。
属名の Iris はギリシャ語で虹を意味し、転じて植物名となった。
種小名の domestica は「栽培されている」という意味である。
花の写真は8月に名古屋市東山植物園で撮った。
実の写真は10月に板橋区立赤塚植物園で撮った。
学名:Iris domestica(異名:Belamcanda chinensis)


★射干玉(ぬばたま)の夜艶やかに明けぬれば
 東雲に吹く檜扇の風
☆檜扇の闇を思わす斑点の
 色は見せずと天を仰ぎて

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# by sikino-hana | 2016-07-24 12:20 | 夏の花

石竹(セキチク)

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石竹(セキチク)はナデシコ科ナデシコ属(ディアンツス属)の多年草である。
ディアンツス属は北半球の温帯地方を中心に300種くらいが分布する。
また、多くの園芸品種が作出されている。
日本にも河原撫子(カワラナデシコ)などが分布し、属名の和名をナデシコ属という。
園芸的には、特に外国産のものは属名を英語風に読んだダイアンサスの名で流通している。
本種の原産地は中国、朝鮮半島、モンゴル、ロシアである。
中国名は石竹花(shizhu hua)という。
英名はチャイニーズピンク(Chinese pink)である。
日本へは平安時代に渡来したと推定されている。
現在では、庭植え、鉢植え、切り花として愛好されている。
和名は中国名を音読みしたものである。
名の由来は、岩間に竹のような葉をつけて咲くことからきている。
別名を唐撫子(カラナデシコ)という。
これは日本原産の河原撫子(カワラナデシコ)に大和撫子(ヤマトナデシコ)の別名があり、それと対比してつけられた名である。
清少納言の「枕草子」にも関連した記述がある。
また、江戸時代の園芸ブームで多くの園芸品種が生まれている。
草丈は20センチから40センチくらいである。
葉は線形で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は5月から10月くらいである。
花径は2センチから3センチで、花の色は紅色や白の5弁花をつける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
俳句の季語は夏である。
花言葉は「女性の美」である。
属名の Dianthus はギリシャ語の「Dios(ジュピター)+anthos(花)」からきている。「ジュピターの花」の意味で、花の美しさを称えるて名づけられた。
種小名の chinensis は「中国の」という意味である。
写真は7月に京都府立植物園で撮った。
ディアンツス・アムレンシス(Dianthus amurensis)の表示があった。
この品種は東北石竹(トウホクセキチク)などの名で区別されることもあるが、YListなどの最近のデータでは石竹(セキチク)の異名として包含されている。
学名:Dianthus chinensis


★いとし子を撫でる心地の愛らしさ
 切れ込む花弁はプリーツ仕立て

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# by sikino-hana | 2016-07-09 10:28 | 夏の花