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大花の姫沙参(オオバナノヒメシャジン)

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姫沙参(ヒメシャジン)はキキョウ科ツリガネニンジン属の多年草である。
日本固有種である。
本州の東北地方南部から中部地方にかけて分布し、高山の砂礫地や岩場に生える。
このうち群馬県の本白根山の特産で、花冠の長さが3センチくらいある大輪のものがある。
これを大花の姫沙参(オオバナノヒメシャジン)として区別する考え方がある。
草丈は10~40センチくらいである。
茎は細くて、多くは毛がない。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、多くは互い違いに生える(互生)。
開花時期は7~9月である。
釣鐘状の青紫色の花を下向きに1~10輪くらいつける。
花柱(雌しべ)は花冠と同じくらいの長さかやや長い。
萼片は細い線形で疎らにぎざぎざ(鋸歯)がある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
変種の深山沙参(ミヤマシャジン)はよく似ているが、花柱(雌しべ)が突き出し萼片にぎざぎざがないことで見分ける。
「沙参」は釣鐘人参(ツリガネニンジン)のことで、「姫」は小さいことを指す。
属名の Adenophora はギリシャ語の「adenos(腺)+phoreo(有する)」からきている。植物体全体に乳液を出す腺細胞があることから名づけられた。
種小名の nikoensis は「日光の」という意味である。
品種名の macrocalyx は「大きな萼の」という意味である。
写真は8月に志賀高原の東館山高山植物園で撮った。
学名:Adenophora nikoensis f. macrocalyx


★名づけ方どこか変だと思うけど
 想像できる変異の多さ
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by sikino-hana | 2011-08-31 09:38 | 夏の花

高薊(タカアザミ)

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高薊(タカアザミ)はキク科アザミ属の越年草である。
北海道から本州の長野県にかけて分布し、河原や休耕田などに生える。
海外では、朝鮮半島、中国東北部、ウスリー地方、アムール地方などにも分布する。
草丈は1~2メートルくらいである。
根際から生える葉は開花時期には枯れる。
茎につく葉は細長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉は羽状に深く裂け、頂裂片は尾状に伸びる。
開花時期は8~10月である。
長い柄の先に花径25~35ミリくらいの紅紫色の花(頭花)を下向きにぶら下がるようにつける。
総苞の形は卵状の球形である。
総苞片は線形で、反り返る。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
和名の由来は、花の柄が高く伸び上がっていることからきている。
属名の Cirsium はギリシャ語の「cirsos(静脈腫)」からきている。静脈腫に薬効のある植物につけられた名が転用された。
種小名の pendulum は「下垂の」という意味である。
写真は9月に小石川植物園で撮った。
学名:Cirsium pendulum


★ぐいぐいと精一杯に背伸びして
 花はだらりと垂れ下がらせて
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by sikino-hana | 2011-08-30 11:08 | 秋の花

岩菖蒲(イワショウブ)

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岩菖蒲(イワショウブ)はユリ科チシマゼキショウ属の多年草である。
本州の日本海側に分布し、山地や亜高山帯の湿地に生える。
日本固有種である。
氷河期の遺存植物と言われる。
草丈は20~50センチくらいである。
茎には腺毛(粘着物質を出す毛)がたくさんあって粘る。
葉は線形で根際から生え、長さ10~20センチくらいである。
菖蒲(ショウブ)の葉に似ており、それが和名の由来となっている。
開花時期は8~9月である。
茎先に花径5~10ミリくらいの白い花がたくさん固まってつく。
花は1か所に3つずつつく。
花被片は6枚である。
花被片の形は細長い楕円形で、内側に巻く。
花の真ん中にある緑色のものは雌しべの根元である。
雄しべは6本である。
花の後にできる実は楕円形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Tofieldia はイギリスの植物学者「トゥフィールド(T. Tofield)さん」の名からきている。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
写真は8月に仙台市野草園で撮った。
学名:Tofieldia japonica


★太古より生き抜き深山に花咲かす
 岩菖蒲の可憐な姿
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by sikino-hana | 2011-08-29 12:31 | 秋の花

白山沙参(ハクサンシャジン)

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白山沙参(ハクサンシャジン)はキキョウ科ツリガネニンジン属の多年草である。
日本固有種である。
北海道から本州の中部地方にかけて分布し、高山や亜高山の草地や礫地に生える。
分類上は釣鐘人参(ツリガネニンジン)の高山型の変種とされている。
和名の由来は、最初の発見地である白山の名を冠したものである。
別名を高嶺釣鐘人参(タカネツリガネニンジン)ともいう。
草丈は20~60センチくらいである。
葉は披針形で、3~5枚が輪生する。
葉の縁には尖ったぎざぎざ(鋸歯)がある。
下部につく葉は開花時期には枯れる。
よく似た姫沙参(ヒメシャジン)や深山沙参(ミヤマシャジン)の葉は互い違いに生える(互生)。
開花時期は7~8月である。
花は淡い青紫色をした鐘形で、数輪ずつ輪生する。
花の色は濃いものや薄いものがある。
花冠の先はやや広がり、雌しべの花柱が長く突き出る。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Adenophora はギリシャ語の「adenos(腺)+phoreo(有する)」からきている。植物体全体に乳液を出す腺細胞があることから名づけられた。
種小名の tripylla は「3枚の葉の」という意味である。
変種名の hakusanensis は「(石川県の)白山の」という意味である。
写真は8月に山形市植物園で撮った。
学名:Adenophora triphylla var. hakusanensis


★花時は終わりに近いようだけど
 出合いの縁に歓び覚え
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by sikino-hana | 2011-08-28 08:15 | 夏の花

釣船草(ツリフネソウ)

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釣船草(ツリフネソウ)はツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草である。
日本各地に分布し、山地の水辺ややや湿った場所に生える。
海外では、朝鮮半島、中国東北部にも分布する。
草丈は50~80センチくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は8~10月くらいである。
葉の脇から花柄を出し、紅紫色の花を数輪ずつつける。
花冠は長さが3~4センチの筒状で先が唇形に裂ける。
また、距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)が後ろに突き出て渦巻き状になる。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
花柄から下垂する花の形を釣船に見立てたのが名の由来である。
俳句の季語は秋である。
属名の Impatiens はラテン語の「impa(否定)+tient(忍耐)」からきている。「我慢できない」という意味で、さく果にさわると急に弾けることから名づけられた。
種小名の textorii は採集家「テックストルの」という意味である。
写真は8月に山形市野草園で撮った。
学名:Impatiens textori


★のんびりと棹を垂らして釣船草
 派手な衣装で人目気にせず
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by sikino-hana | 2011-08-27 11:21 | 秋の花

羽前鳥兜(ウゼントリカブト)

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羽前鳥兜(ウゼントリカブト)はキンポウゲ科トリカブト属の多年草である。
日本固有種である。
「羽前」というのは山形県の旧国名である。
蔵王山の山形県側で発見されたのが名の由来である。
本州の東北地方と関東地方に分布する。
秋田県では絶滅危惧種に指定している。
奥鳥兜(オクトリカブト)とよく似ているが、花の柄に腺毛が生えることで区別される。
草丈は50~180センチくらいになる。
葉は5つから7つに裂けるが、細長い裂片には分かれず丸味がある。
裂片の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)があり、重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)である。
開花時期は8~10月である。
濃い青紫色の花を咲かせる。
花びらのように見えるのは萼である。
萼の中に細長い花弁が2枚ある。
たくさんの雄しべが見える。
花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
属名の Aconitum はギリシャ語の「hierax(=鷹)」からきている。鷹がこの属の植物で目を洗うと考えられたことから名づけられた。
種小名の okuyamae は「奥山さんの」という意味である。
写真は8月に山形市野草園で撮った。
学名:Aconitum okuyamae


★峰連ね雪待つ山に花開く
 羽前の国に固有の姿
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by sikino-hana | 2011-08-26 13:36 | 秋の花

小伊吹薊(コイブキアザミ)

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小伊吹薊(コイブキアザミ)はキク科アザミ属の多年草である。
伊吹山の固有種である。
山頂に近いお花畑に生える。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は40センチから100センチくらいである。
葉は長い楕円形で、羽状に裂ける。
葉には鋭い棘があり、茎に密集する。
開花時期は8月から10月である。
茎先に淡い紅紫色をした花(頭花)を密につける。
花径は2センチくらいである。
総苞は筒状で、蜘蛛毛(蜘蛛の巣のような細くからまっている毛)があり粘る。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Cirsium はギリシャ語の「cirsos(静脈腫)」からきている。静脈腫に薬効のある植物につけられた名が転用された。
種小名の confertissimum は「密生した」という意味である。
写真は8月に伊吹山で撮った。
学名:Cirsium confertissimum


★この土地がとても似合いの咲き方に
 惚れ惚れとする小伊吹薊
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by sikino-hana | 2011-08-22 08:31 | 夏の花

四手沙参(シデシャジン)

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四手沙参(シデシャジン)はキキョウ科シデシャジン属の多年草である。
本州と九州に分布し、山地に生える。
海外では、朝鮮半島、中国東北部などにも分布する。
草丈は50~100センチくらいである。
葉は長い卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁には不規則なぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~8月である。
茎先や葉の脇から総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、青紫色の花をつける。
花冠は長さ2センチくらいで、細く5つに裂けて反り返る。
雄しべは5本である。
雌しべの花柱が長く突き出し、柱頭が3つに裂ける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
「四手」というのは「玉串や注連縄(しめなわ)などに下げる紙」のことである。
「沙参」は釣鐘人参(ツリガネニンジン)の中国名である。
青紫色の花が後ろに反り返った独特の形から四手(シデ)を連想したものといわれる。
属名の Asyneuma はギリシャ語の「a(否定)+syn(共に)+aeuma(Phyteuma属の略)」からきている。タマシャジン属とは異なったという意味になる。
種小名の japonicum は「日本の」という意味である。
写真は8月に日光植物園で撮った。
学名:Asyneuma japonicum


★造形の不思議を見せる花姿
 四手沙参咲く野は深くして
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by sikino-hana | 2011-08-21 09:17 | 夏の花

三葉風露(ミツバフウロ)

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三葉風露(ミツバフウロ)はフウロソウ科フウロソウ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地の草地や林の縁などに生える。
海外では、朝鮮半島、中国、アムール地方などにも分布する。
現の証拠(ゲンノショウコ)に似るが、葉が3つに裂けるものが多いこと、開出毛(立ち上がるようにつく毛)や腺毛(粘着物質を出す毛)がないことが異なる。
草丈は30センチから80センチくらいである。
葉は手のひら状で、普通は3つに裂ける。
葉の裂片は菱形状で、先が尖る。
茎や葉の柄には下向きの伏毛(茎や葉に密着して寝た毛)がある。
開花時期は7月から10月である。
茎先や葉の脇に花径10ミリから15ミリくらいの白ないし淡い紅色の花をつける。
花弁数は5枚で、濃い色の筋が入る。
萼片は5枚である。
雄しべは10本ある。
花柱(雌しべの一部で柱頭と子房とをつなぐ部分)は先が5つに裂ける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Geranium はギリシャ語の「geranos(鶴)」に由来する。長いくちばしのような果実を鶴のくちばしにたとえたものである。
種小名の wilfordii は東アジアの植物を採集したイギリスの植物学者「ウィルフォード(C. Wilford)さんの」という意味である。
写真は8月に伊吹山で撮った。
学名:Geranium wilfordii


★葉の形たしかに違っているけれど
 見分けにくいね三葉風露は
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by sikino-hana | 2011-08-20 07:48 | 夏の花

日光薊(ニッコウアザミ)

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日光薊(ニッコウアザミ)はキク科アザミ属の多年草である。
日本固有種である。
本州の関東北部から中部地方にかけて分布し、山地の湿った草原に生える。
野原薊(ノハラアザミ)の亜種で、総苞や茎に白い毛が多いのが特徴である。
草丈は40~100センチくらいである。
根際から生える葉は、羽状に深く裂ける。
茎につく葉は茎を抱く。
開花時期は8~9月である。
茎の上部で枝分かれをし、それぞれの先に紅紫色をした頭花を上向きにつける。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
よく似た野薊(ノアザミ)は花のすぐ下にある総苞が粘るが、日光薊(ニッコウアザミ)は粘らない。
属名の Cirsium はギリシャ語の「cirsos(静脈腫)」からきている。静脈腫に薬効のある植物につけられた名が転用された。
種小名の oligophyllum は「少数の葉の」という意味である。
亜種名の nikkoense は「日光の」という意味である。
写真は8月に奥日光の小田代原で撮った。
学名:Cirsium oligophyllum subsp. nikkoense


★湿原を彩るように咲くという
 日光薊をじっと見つめて
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by sikino-hana | 2011-08-19 09:12 | 夏の花