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穂咲下野(ホザキシモツケ)

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穂咲下野(ホザキシモツケ)はバラ科シモツケ属の落葉低木である。
北海道から本州の中部地方にかけて分布し、低地から亜高山にかけて湿った草地や林の中などに生える。
海外では、北半球の冷帯から温帯にかけて広く分布する。
環境省のレッドデータブック(2000)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されていた。
環境省のレッドリスト(2007)では削除された。
樹高は1メートルから2メートルである。
葉は幅の狭い卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁には鋭いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6月から9月である。
枝先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、花径5ミリから8ミリくらいの小さな淡い紅色の花を穂のようにつける。
花は上から下へと咲いていく。
花弁と萼片は5枚である。
雄しべは5本で、花弁よりも長い。
下野(シモツケ)に似ているが、下野(シモツケ)が扇状に拡がるように花をつけるのに対して、穂のように長く伸びて咲く。
写真は8月に奥日光の戦場ヶ原で撮った。
学名:Spiraea salicifolia


★ピンクの穂突き立てながらそこここに
 穂咲下野連れ舞うように

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by sikino-hana | 2010-07-31 04:02 | 夏の花

土通草(ツチアケビ)

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土通草(ツチアケビ)はラン科ツチアケビ属の多年草である。
日本固有種である。
北海道の南部から九州にかけて分布し、山地の暗く湿った林の中に生える。
草丈は50センチから100センチくらいである。
葉緑素を持たない腐生植物で、葉は退化している。
茶色い毛の生えた茎を伸ばし、枝分れをする。
開花時期は6月から7月である。
花径2、3センチの半開した黄褐色の花を総状につける。
唇弁は円形で、縁は細かく裂ける。
花は半開のまま終わる。
花の後に、茎の上部に果実を垂れ下げてつける。
果実は肉質で赤く、バナナのような形をしており、長さ6センチから10センチくらいある。
果実を乾燥させたものを生薬の土通草(どつうそう)といい、強壮、利尿などの薬効がある。
名は、実を通草(アケビ)に見立て、土から生えるということでつけられたものである。
写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Galeola septentrionalis


★花も実も奇妙だけど土通草
 愛嬌があり人気を呼んで

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by sikino-hana | 2010-07-30 05:57 | 夏の花

髪剃菜(コウゾリナ)

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髪剃菜(コウゾリナ)はキク科コウゾリナ属の越年草である。
北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、低地から山地の草地や道ばたなどに生える。
海外では、中国やサハリンにも分布する。
草丈は30センチから100センチくらいである。
よく枝分かれをする。
茎や葉、萼など全体に剛毛があり、触れるとざらつく。
漢字では「顔剃菜」とも書くが、固い毛を剃刀に見立てたのが名の由来である。
根際から生える葉はロゼット状で、花期には枯れる。
茎の下部につく葉は倒披針形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖らず、縁には鋭いぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉のつけ根には翼のある柄がある。
茎の上部につく葉は披針形で、茎を抱く。
開花時期は5月から10月である。
茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、蒲公英(タンポポ)のような黄色い舌状花だけの頭花を数個つける。
舌状花の先は細かく切れ込む。
花径は20ミリから25ミリくらいである。
写真は8月に奥日光の小田代原で撮った。
学名:Picris hieracioides subsp. japonica


★夏の野に野生煌く髪剃菜
 触れるを拒み身を固くして

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by sikino-hana | 2010-07-29 05:53 | 夏の花

乙女葵(オトメアオイ)

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乙女葵(オトメアオイ)はウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草である。
神奈川県と静岡県に分布し、山地の林の中に生える。
フォッサマグナ要素の植物の1つである。
和名の由来は、箱根の乙女峠で発見されたことからきている。
環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。
草丈は10センチくらいである。
葉は腎円形で、長さ5センチから7センチくらいである。
葉には雲紋が入るものがあるが、個体によって差異がある。
開花時期は6月から8月くらいである。
花の色は暗い紫色や緑色である。
花径は15ミリくらいである。
写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Asarum savatieri(=Heterotropa savatieri)


★葉の下で鳴らす鐘の音闇に舞い
 乙女葵の花やまぼろし

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by sikino-hana | 2010-07-28 05:27 | 夏の花

犬胡麻(イヌゴマ)

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犬胡麻(イヌゴマ)はシソ科イヌゴマ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、湿った草地や藪に生える。
草丈は40センチから70センチくらいである。
茎の断面は四角形で、下向きの棘が生える。
葉は披針形で、向かい合って生える(対生)。
葉には短い柄があり、縁には波状のぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の表面には皺があり、裏面には棘があってざらつく。
開花時期は7月から9月である。
茎先に穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、淡い紅紫色の花を数段輪生する。
花径は4ミリから8ミリくらいで、花冠は上唇と下唇からなる唇形である。
上の唇は兜状である。
下の唇は3つに裂け、紅紫色の斑が入る。
萼片は5枚で、毛が生える。
雄しべは4本で、そのうち2本が長い。
和名の由来は、実がゴマに似ているが食べられないところからきている。
地下茎が正月料理に使う草石蚕(チョロギ)に似ているところから、草石蚕騙し(チョロギダマシ)の別名がある。
写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Stachys riederi var. intermedia


★紫の穂をつんと立て犬胡麻は
 我は我なり野に在り咲かん

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by sikino-hana | 2010-07-27 05:25 | 夏の花

水千鳥(ミズチドリ)

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水千鳥(ミズチドリ)はラン科ツレサギソウ属の多年草である。
北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、山地や低地の湿地に生える。
海外では、朝鮮半島、中国、サハリンなどにも分布する。
草丈は30センチから90センチくらいである。
葉は線状の披針形で、互い違いに生える(互生)。
葉のつけ根は茎を抱く。
茎の下部では長さが10センチから20センチくらいあるが、茎の上部では小さくなる。
開花時期は6月から7月である。
茎先にやや疎らな総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い小さな花をたくさんつける。
花は下から上へと咲き上がる。
花径は10ミリから15ミリくらいである。
側萼片は長さが6、7ミリで開き、背萼片と側花弁は長さが5ミリくらいで丸まる。
唇弁は舌状で長さが6ミリから8ミリくらいある。
距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)は細長く、垂れ下がる。
緑色の苞(花のつけ根につく葉の変形したもの)が花よりも長い。
名の由来は「水辺の千鳥」に譬えたものである。
花にはよい香りがあるので麝香千鳥(ジャコウチドリ)の別名もある。
写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Platanthera hologlottis


★芳しき香り放ちて水千鳥
 水辺に憩う虫を手招き

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by sikino-hana | 2010-07-26 05:46 | 夏の花

姫沙参(ヒメシャジン)

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姫沙参(ヒメシャジン)はキキョウ科ツリガネニンジン属の多年草である。
日本固有種である。
本州の東北地方南部から中部地方にかけて分布し、亜高山や高山の砂礫地や岩場に生える。
草丈は10センチから40センチくらいである。
茎は細くて、多くは毛がない。
葉は披針形で、多くは互い違いに生える(互生)。
開花時期は7月から9月である。
釣鐘状の青紫色の花を下向きに1輪から10輪くらいつける。
花柱(雌しべ)は花冠と同じくらいの長さかやや長い。
萼裂片は細い線形で疎らにぎざぎざ(鋸歯)がある。
変種の深山沙参(ミヤマシャジン)はよく似ているが、花柱(雌しべ)が突き出し萼裂片にぎざぎざがないことで見分ける。
「沙参」は釣鐘人参(ツリガネニンジン)のことで、「姫」は小さいことを指す。
写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Adenophora nikoensis


★地に伏して釣鐘だらり垂らし咲く
 姫沙参は高山の花

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by sikino-hana | 2010-07-25 12:54 | 夏の花

長穂の白吾亦紅(ナガボノシロワレモコウ)

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長穂の白吾亦紅(ナガボノシロワレモコウ)はバラ科ワレモコウ属の多年草である。
北海道から本州の中部地方にかけて分布し、湿原や湿性の草原に生える。
湿原に生育する植物の中には氷河時代に分布したものが生き残っていることがあるが、本種もその一例である。
海外では、サハリンにも分布する。
草丈は60センチから130センチくらいである。
葉は11枚から15の小葉からなる奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)である。
小葉は幅の狭い楕円状の線形で、縁には鋭いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は7月から10月である。
茎の中部で枝分かれをして白い花穂を出し、長いものは垂れ下がる。
花は上から咲き始め、下へと向かう。
花には花弁がなく、白く見えるのは萼片である。
萼片は4枚あり、4本の雄しべが花から突き出る。
写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Sanguisorba tenuifolia var. alba


★太古より咲かせ続けた花の穂は
 白くゆったり地に垂れ下がり

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by sikino-hana | 2010-07-24 03:48 | 秋の花

松本仙翁(マツモトセンノウ)

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松本仙翁(マツモトセンノウ)はナデシコ科センノウ属の多年草である。
熊本県と宮崎県に分布し、阿蘇山の外輪山の原野にのみ生える。
環境省のレッドデータリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
高さ30センチから80センチくらいである。
茎は叢生し、下向きの毛がある。
葉は長い卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉にも毛が多い。
開花時期は6月から8月くらいである。
花は茎先や葉の脇につき、深い紅色から淡い紅色まで変異がある。
花弁は5枚である。
花弁の先は浅く2つに裂け、さらに不規則な歯牙がある。
園芸品種には、赤、白、橙色、桃色、絞りなどのものがある。
なお、「仙翁」の名は京都府嵯峨の仙翁寺に伝わったことに由来する。
また、「松本」は花の形が歌舞伎役者の松本幸四郎の紋所に似ていることからきているという。
写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Lychnis sieboldii


★蒸し暑い陽気をどこか和ませる
 松本仙翁小首傾げて

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by sikino-hana | 2010-07-23 05:41 | 夏の花

下野草(シモツケソウ)

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下野草(シモツケソウ)はバラ科シモツケソウ属の多年草である。
本州の関東地方から九州にかけて分布し、山地や亜高山の草地や林の縁などに生える。
草丈は30センチから80センチくらいである。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)、互い違いに生える(互生)。
頂小葉が大きく、5つから7つに手のひら状に裂ける。
開花時期は6月から8月である。
枝先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、花径4、5ミリの小さな花をたくさんつける。
花の色は普通は淡い紅色だが、濃い紅色のものもある。
花弁は5枚で、形は円形である。
雄しべはたくさんあり、花冠から飛び出ている。
萼片は5枚で反り返り、内側には毛が生えていない。
近縁種の京鹿の子(キョウガノコ)は毛が生えている。
草下野(クサシモツケ)の別名がある。
写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Filipendula multijuga


★ふんわりと綿毛のような柔らかさ
 下野草の花は薄紅

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by sikino-hana | 2010-07-22 05:49 | 夏の花